2011年4月6日水曜日

チェーホフの手帖

こんばんは、ボンテです。
今は『チェーホフの手帖』やレイモンド・カーヴァーの『ぼくが電話をかけている場所』等読んでいます。

大学生になってから、チェーホフの作品を読むようになりました。
ドストエフスキーもトルストイもろくに読んでいないのになぜかチェーホフだけ。

チェーホフと言えば『ワーニャ伯父さん』や『桜の園』といった戯曲が有名ですが、私はどちらかというと短編小説が好きです。
戯曲は最晩年(亡くなったのは40代半ば)に書かれているのですが、小説を書き始めたのはまだ若いころ。
生活費を稼ぐためでした。
このころはユーモアのある短編が多いです。
新潮文庫に『チェーホフ・ユモレスカ―傑作短編集―』というのがありオススメ。

チェーホフの小説を読んでいると、人にはいろんな面があるということを改めて認識させられます。
温かいまなざしで教えてくれることもあれば、離れた距離から人を描写することで教えてくれることもあります。
ウィキペディアを読んでいると(なかなか詳しく書いてあります)、チェーホフの小説や劇においてはなにも起こらない、とあります。内面を描いているのです。

私は伏線がありカチッカチッとはまっていくような小説よりも、なにも起こらない小説に惹かれます。
映画においても同様です。
筋がびしっと決まっているとかどんでん返しがあるとかいう映画も楽しみますが、その実雰囲気のある映画が好きです。

さてさて、そんなチェーホフに関連して。
先日『愛を読むひと』という映画を見ました。
原作は『朗読者』(未読)というベストセラーです。

青年が、年上の女性に何冊も朗読をします。ひと夏の関係でした。
数年後、ふたりは出会います。
彼は再び彼女に朗読をします。テープに声を吹き込み、彼女に送ります。
そのときの作品のひとつにチェーホフの短編「犬を連れた奥さん」があるのです。
「犬を連れた奥さん」を読む声。真剣に聴く姿。
この場面は映画の中でもっとも美しくドラマチックでした。


『チェーホフの手帖』はチェーホフの私録です。
題材・覚え書き・断片・引用等を、いってみれば覗くことができます。
新潮文庫の復刊として読めることが嬉しいです。
興味があれば読んでみてください。


ひとつ、ペトローヴィチだかイワーヌィチだかロシア語の名前に苦戦することを予告しておきます。

2 件のコメント:

  1. 投稿読ませてもらいました。金沢大学のものです。
    オヨヨ書林は私もよく行きます。
    新店舗の雰囲気はいいですね。

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  2. そうですね。
    タテマチストリートのほうよりも雰囲気は好きです。
    置いてあるものが違うので、気分でどっちにいくか選べて楽しいと思いました。

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